XLOOKUP活用法と事例
Excelでのデータ検索において、VLOOKUPやINDEXMATCHに続く強力なツールとしてXLOOKUPが登場しました。XLOOKUPは従来の検索関数の制約を克服し、柔軟性と使いやすさを兼ね備えています。本記事では、XLOOKUPの基本的な使い方を説明し、具体例を用いてその便利さを解説します。
XLOOKUPとは?
XLOOKUPは、Excelの新しい検索関数で、以下の特徴があります:
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双方向検索が可能:
- 左から右だけでなく、右から左への検索も可能。
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部分一致や近似値検索の対応:
- 完全一致だけでなく、部分一致や近似値検索も簡単に設定できます。
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エラー処理が組み込み:
- 見つからない場合にデフォルトの値を指定可能。
XLOOKUP関数の基本構文
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからない場合の値], [一致の種類], [検索の方向])
引数の説明
- 検索値: 検索したい値。
- 検索範囲: 検索対象の範囲。
- 戻り値範囲: 検索値が見つかった場合に返す値の範囲。
- 見つからない場合の値: 検索値が見つからなかった場合に返す値(省略可)。
- 一致の種類: 完全一致、部分一致、近似値検索を指定(省略可)。
- 検索の方向: 上から下(デフォルト)または下から上を指定(省略可)。
実例: 商品の価格を検索する
データ例

「バナナ」の価格を取得したい場合、以下のようにXLOOKUPを使います。
=XLOOKUP("バナナ", B2:B4, C2:C4, "該当なし")
- 検索値: "バナナ"
- 検索範囲: B2:B4(商品名列)
- 戻り値範囲: C2:C4(価格列)
- 見つからない場合の値: "該当なし"
結果は100円です。
応用例: 複数条件での検索
データ例

「バナナ」の「大阪店」での価格を取得したい場合、以下のようにします。
- 補助列なしでの検索 XLOOKUPを使用すると補助列を作成せずに複数条件検索が可能です。
=XLOOKUP(1, (B2:B5="バナナ")*(C2:C5="大阪店"), D2:D5, "該当なし")
- (B2:B5="バナナ"): 商品名が「バナナ」の行を特定。
- (C2:C5="大阪店"): 店舗が「大阪店」の行を特定。
- D2:D5: 戻り値範囲(価格列)。
結果は90円です。
エラー処理の活用
問題
検索値が存在しない場合に「該当なし」と表示させたい。
解決策
以下の数式を使用します:
=XLOOKUP("グレープ", B2:B4, C2:C4, "該当なし")
結果は"該当なし"です。
VLOOKUPやINDEXMATCHとの違い
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右から左への検索が可能:
- VLOOKUPでは対応不可。XLOOKUPなら戻り値範囲を自由に指定可能。
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エラー処理の簡素化:
- IFERROR関数が不要。
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複数条件の検索が容易:
- 補助列を作成する必要がなく、複数条件を直接指定可能。
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近似値検索が柔軟:
- MATCH関数のように一致の種類を詳細に設定可能。
まとめ
XLOOKUPは、従来のVLOOKUPやINDEXMATCHの弱点を補い、よりシンプルで直感的なデータ検索を可能にする強力な関数です。右から左への検索、複数条件検索、エラー処理の簡素化など、業務効率化に大いに役立ちます。
ぜひこの機能を活用して、データ分析や業務の効率化を進めてみてください!